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タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

森永ミルクキャラメル 風味絶佳

「おばあさんに道を教えてあげたら、これ貰った」
夫がポケットからミルクキャラメルを取り出しました。
「キャラメル好きじゃないし、君が食べて」
私もキャラメルはそれほど…。それに、カロリー高いんじゃないの?
一粒21kcalか…。

そのオレンジ色の箱が懐かしく、食べるかどうか迷いながら、暫く眺めていました。

でも折角のおばあさんのご厚意、ありがたく頂戴することにしました。

あっ、包み紙が銀紙だ。
私の記憶にあるのはパラフィン紙だったけど。
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最後にキャラメルを食べたのは、いつだったかな?

はっきり覚えているのは、小学5、6年の頃。

雨がポツリポツリと降りだしたお昼過ぎ、
「お父さんに傘持って行ってあげて」
母に言われて、私は渋々父の職場へ向かいました。
面倒だし、第一、大人ばかりの職場は緊張します。
内気な少女には、高すぎるハードル。

エレベーターで3階に上がり、少しためらってから勇気を出して『エイッ』とばかり、ドアを開けました。
でも、どうしていいか分からない…。
近くで仕事をしていた人が手を止めて、モジモジしている私に話しかけてくれました。
「お嬢ちゃん、何か用?」
「○○ですが、お父さんに傘を…」
それだけ言うのが精一杯。
でもその人はすぐに父を呼んでくれたので、ホッとしました。

父はニコニコしながら傘を受け取り、近くの駄菓子屋さんに私を連れて行きました。
そして「傘、ありがとう。気を付けて帰りなさい」とキャラメルを買ってくれました。
『本当はチョコレートの方が良かったなー』
心の中でちらっと思いましたが、いつもいかめしく近寄りがたい父の笑顔が嬉しくて、私はキャラメルの箱を握りしめました。

折角傘を持って行ったのに、帰り道はすっかり晴れ上がり、虹が出ていました。
その虹の美しさと、頬張ったキャラメルの甘さは、亡父の笑顔と共に大切な思い出です。

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『窓ぎわのトットちゃん』にも、大岡山のキャラメル自動販売機の話がありましたね。

窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)

戦中の物資の少ない時代、キャラメルがコトンと出てくるのをずっと待ち続けた、トットちゃんの切ないエピソード。
きっとキャラメルは、彼女にとって幸せの象徴だったのでしょう。

皆様にも、お菓子にまつわる思い出がきっとある筈。

では、いただきま〜す。
う〜ん。頬張れば、やっぱり風味絶佳。
変わらず、懐かしく。