タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

喧嘩しながら歩く道

母が急に藤を見たいと言い出し、散歩に出掛ける事になりました。
「すぐ近くに藤棚があるから」と言うのを信用した私が馬鹿でした。
歩いても歩いてもその場所には辿り着けず、しびれを切らした私は「もう帰ろうよ〜」。
「いやいや、もう少しだから」母は言い張り、カートを押しながらどんどん歩いて行きます。
本当にあるのかな、ただの妄想なのでは…と疑い始めた時、立ち話をしている農家の方に出会いました。伺ってみると、「そこを右に曲がって坂道を上った所です」と指差して教えて下さいました。
へぇー、本当にあるんだ。
疑った事を反省しながら、黙って歩きました。

あぶさんは、せっせとお仕事中。
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しかし、すぐそこと聞いていたけれど、いつまで経っても藤棚は見えず、次第に日が傾き始めました。
母は疲れてきた様子で歩く速度が次第に遅くなってきます。
でも帰るとは言いません。
辺りに『ゆうやけこやけ』のメロディー(6時のチャイム)が流れています。
心細くなり始めた頃、漸く目的地に到着。
オオ〜ッ!あった〜‼
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まだ花が咲いていてよかった。
でも喜ぶと思いきや、母は何だか不満げな面持ち。
「なんだ〜、私が思っていたほど綺麗じゃあないな〜」
時季が遅すぎたのと、近年手入れが行き届かず花房が以前に比べて短めだったようです。
でも、さんざん歩いてやっと辿り着いた感想が、それ?
私へのねぎらいとか、来て良かったとかは無しですか?
腹立たしくて、つい強い口調で言ってしまいました。
「私は疲れて帰ってご飯を作るのよ。こっちの気持ちも考えてよっ!」
しかし相手も負けずに
「煩いね。そんなに大きな声で言わなくても、聞こえてるよっ!」


足取り重い帰り道、「あ〜、喉が乾いた。もう歩けんわ。何か買ってきて」と母。
本当に勝手なんだから。
仕方なく私は遠い自販機へ走ります。

でももしかしたら、私に綺麗な藤を見せたくて長い道のり歩いてくれたのかな?
母にきつい言葉を投げた事に心がチクリと痛み、妹に電話で話しました。
「それは無いね。お姉さんに見せたくて行ったんじゃないよ。お母さんは、昔から自分の事しか考えられない人だから」
はい、そうでした。
それを聞いて少し心が軽くなった私でした。