タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

夏のとなりに

              髪かろき妻坐りて夏隣

               (父の句集より)

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まだ4月だというのに気温は30度近くまで上昇し、すぐそこに来ている夏を感じさせる日々。『夏隣』という季語が登場する、父の俳句を思い出しました。

 

美容院から帰って来た母を見て、この句のアイデアが浮かんだそうです。

「さりげない愛情が表れていて、いい句だね」と褒めると、父は何も言わず照れたように笑いました。

母は「いつも私に怒ってばかりなのに、俳句の中では思いやりのある優しい人みたいでずるい」と不満そうに言いましたが、ちょっぴり嬉しげな表情でした。

私は、鏡台に向かって髪型を確かめている母と、それを後ろから眺めている父を想像しました。

それほど仲が良い夫婦とは思えなかったけれど、亡父の俳句にはよく母が登場します。こういう愛情表現もあるのだなぁ、と今では微笑ましく思い出されます。

旧仮名使いの『ゐ』を記入するのには少し苦労しました。このブログの編集機能では出てこなかったので、グーグル検索したものを貼り付けて、フォントの大きさや色を編集しました。一時は諦めかけたのですが、この文字でないと俳句の持ち味が損なわれるような気がしたのです。

写真の鏡台と箪笥は、こちらから引っ張り出してきました。 

引き出しは全て開けられます。

でも、これを作っている時の私は、鬼気迫る表情をしていたそうで・・・。