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タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

平凡な人間を凶行に走らせるもの

昨夜、ドラマ『黒い看護婦』を観て、大竹しのぶさんの凄みのある演技に背筋がゾクッとしました。この時間のドラマは、いつもなら眠気半分で観ています。しかし、平凡な女性たちが一人の人間の虚言に自分を見失い、振り回された挙句に殺人まで犯してしまう、というストーリーの展開に、目が釘付けになりました。

はじめは優しい態度で接して警戒心を失わせ、そのうち相手の心に入り込み、やがて支配する。これが、マインドコントロールというものの実態なのでしょうか。

何でも解決してくれる『先生』という架空の人物を、あたかも実在するかのように語る言葉の巧みさや相手の質問をすり抜ける狡猾さは、彼女が生きるために獲得した武器なのかもしれません。これを演じきれるのは、大竹しのぶさん以外には思いつきません。

支配される側も、言葉の中に多少の矛盾を抱きつつも、ぬるい空気の中に居心地の良さを感じて取り込まれてしまいます。

しかしその世界に入ってしまったら最後、奴隷のように使われ搾取されても、抜け出すことは出来ず、命令に従うしかないのです。そこに『自分』という主体はもはや存在しません。たとえそれが『夫を殺せ』という命令であっても・・・。

原作は、実際に起きた事件を取材して書かれた小説。 

黒い看護婦

黒い看護婦

 

 私はこの事件について知らなかったのですが、それ以降にも同じ様な事件が幾度も起きている事を思えば、決してこれは特殊な人間が起こした特殊な事件では無いということが解ります。

誰でも悩みを抱えていて、それを誰かに話して慰めてほしい、あるいは解決へ導いて欲しいという思いはあるでしょう。しかしその相手を間違えたら、とんでもない災難に見舞われます。

ドラマを観た後、真面目に生きながら世の中に不公平さや理不尽さを感じている人ほど、相手を信じこみ、取り込まれやすい傾向が強いように感じました。でもこれは、多くの人に当てはまるのでは・・・?