タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

インプラントその5・どうしても聞いてほしいこと (歯の話no.9)

今までお読みに頂いて、インプラント治療が完了するまでには、多くの段階と期間を経なければならないことがお分かりになったと思います。そのどれ一つ欠かすことが出来ません。

もしも一つでも省けば、命を失いかねないほどの危険が潜んでいます。そして、どれもなみなみならぬ知識と技術を要するものです。研鑽を重ねて常に新しい情報を取り入れ、患者の為に一番良い方法を考えて実践している歯科医師にしか出来ない治療なのです。

次に幾つかの注意事項を挙げておきます。

         歯医者さんを探す前の心得

□ インプラントに関するある程度の知識を頭に入れておくこと

あなた自身が知識を身に付け、どのような治療をして、費用はどれ位かかるのか知っておくことが大切です。

□ 健康であること

歯医者さんを探す前に、自分の体が健康であることを確認して下さい。内科で血液検査をしてもらうのもいいと思います。

高血圧や糖尿病の方はインプラントは不可能です。定着が悪く、すぐ外れてしまうこともあります。体調が完全に整ってから医院に行って下さい。その他わずかでも内科系の疾患をお持ちの方も、インプラント治療はしない方がいいと思います。

今までお読み頂いてお分かりかと思いますが、治療にはかなりの体力が必要なのです。普段からバランスの取れた食事を摂り、体を健康に保つことをおすすめします。

          良い歯医者さんとは

□ 口全体の健康を大切にしてくれる歯医者さん

歯医者さんの受付で「まず歯茎の治療から始めて、周辺の歯の治療も行いますが、よろしいですか?」と言われても、帰ったりしないで下さい。嫌われるのを承知でそう言ってくれる歯医者さんほど、良い歯医者さんなのです。そして、そういった治療こそが、インプラントに必要とされるのです。もしもそうしなければ、インプラント部の歯茎は炎症を起こしたり、グラグラになってすぐに外れてしまうかも知れません。

予防歯科に力を入れているかどうかも、一つの指標です。

□ インフォームド・コンセントやカウンセリングに時間をかける歯医者さん

手術の内容やそのリスク、治療の進め方、治療費についてきちんと説明のない医院には、絶対に行くべきではありません。また、患者の質問をはぐらかすような態度が少しでも見られたら、そこでの治療はやめるべきです。

医師以外に、患者の悩みを聞き、それを直接医師に伝えられる専門の人が存在すれば理想的です。

□ インプラントの治療数が多く、失敗例が無い歯医者さん

患者によって歯の状態が違って当然ですが、どの例にも対応出来るように、医師が勉強している事が大切です。失敗が皆無というのは無理かも知れませんが、治療後の不具合は、医師の対応によってカバーできるのです。検診に力を入れるというのも大切な要素です。

出来れば、インプラント完了後数年が経った患者さんに、話を聞いた方がいいと思います。

 何度も言います。

インプラント治療は、歯科医の知識や技術に大きく左右される治療なのです。歯科医を決めた時点で、もうすでにあなたの歯の運命は決まっているのです。

 

        東京で起きた医療事故について

東京・日本橋の医院で、初診から4日後に抜歯とチタンの埋入手術を受けた70歳の女性が、手術中に亡くなりました。埋入している時に動脈を傷つけたことが原因ですが、この記事を読んでとても驚きました。


歯科インプラント手術死亡事故の原因と結果、教訓 - 法と経済のジャーナル Asahi Judiciary

4日後に手術なんて、絶対に考えられない事なのです。それも一度に5本です。はじめは8本の予定だったそうですが、患者さんの方が疑問を感じて、その日治療する本数を減らしてほしいと頼まれたそうです。

一般では、まず歯茎の治療から始め、インプラント部の治療は歯茎の回復の様子を見ながら少しずつ進めていくのが常識です。亡くなられた患者さんの年齢や、インプラント治療を受ける本数の多さから考えると、歯周病が進行している筈だということは、素人の私にも分かります。

にもかかわらず、一気にチタンを埋め込もうとした、この医師の常識を疑わざるを得ません。こんな乱暴な治療を行う非常識な医師が、堂々と東京の一等地で看板を上げているなんて、信じられません。同じ所で治療を受けた他の患者さんたちはどうなっているのか、気がかりです。

この事故以外にも、インプラントがすぐに炎症を起こして外れ、他の医院で治療を受けているという人が多いように思います。何れも、はじめにしておくべき歯茎の治療は行われていませんでした。

その上、最初の医院に支払った高額の治療費は戻ってこない、という話も聞きました。下手な医師にかかった患者は、体力的・経済的・精神的な面で、何重にも苦しめられるのです。

家人が「京都のお父さん」と呼んで慕っていた方が、去年亡くなりました。その方も、インプラント治療を受け、最初の歯医者さんで失敗(炎症・化膿・歯のガタつき)し、他院でやり直して貰っている最中でした。亡くなられたのは他の病気でしたが、最初の歯科医で酷い治療を受けたことが遠因ではないかと、家人は言っています。

そのような事実をよく知った上で、あらゆる方面から検索して絞り込み、確実に優秀な歯医者さんを探して下さい。くれぐれも、いつも通っているからとか、近所の人の評判だけで判断してはいけません。はじめの一歩を踏み間違えると、本当に怖い結果が待っているのです。

それが私の、《どうしても聞いてほしいこと》です。

何日にも亘り、インプラントについて長々と書きましたが、お読み頂いた方々、私の話にお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

歯の話はここで一旦お休みして、また伝えたいことが溜まってきてから書くつもりです。