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タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

《モンスター》 浦沢直樹

最近、《モンスター》を再読しています。きっかけは、ロッカーの奥から以前読んだこの本を見つけたからです。全部で18巻(章)あり、現在10巻目を読んでいます。本当は一気に読みたいのですが、熟読すると相当時間が掛かりますから、1日1巻に止めています。 

Naoki Urasawa's Monster, Vol. 1: Herr Dr Tenma

Naoki Urasawa's Monster, Vol. 1: Herr Dr Tenma

 

 単行本第一章の初版が1995年、それから2002年に最終章。それ以前のビッグコミックオリジナルに掲載された期間も含めると、8年以上の年月を浦沢氏はこの作品に費やした事になります。

 

内容は現在も全く古びていません。

『犯人は何故、いとも簡単に人を殺したのか』という疑問を抱かざるを得ないような犯罪が、最近多発しているように思います。多くはその成育歴や環境に問題があるとは推察出来ますが、それをはっきりと解き明かされる間もなく、また犯人自身がそれを語ることなく、次に起きる凶悪な犯罪へと世間の目は移行していきます。

それを犯人の心理に迫って究明しようとする強い情熱が、この本全体に貫かれているのを感じます。更にそれは、生命の持つ重要な意味への気付きにも繋がっているのです。漫画だと軽く見られがちですが、浦沢直樹氏の強靭な意志で重いテーマに取り組み、満身創痍になりながら描き上げられた作品です。

しかし、私自身、忘れている部分があまりにも多くて驚きます。第一章で既に、テンマ医師が犯人と対峙していた事すら忘れていました。でもその分、新鮮な気持ちで読めると言いますか…。

内容には敢えて触れませんが、場面設定がドイツとチェコである事、そして、殺人犯として追われながら、自ら真犯人を追う立場であるテンマが医師であるという事は、重要なポイントです。

最終章の衝撃は、16年を経た今でも忘れられません。再びあの衝撃の結末に出会うまで、あと8巻。