読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

骨董市で家を買う

 古民家と聞いて抱くイメージは、どういうものだろう。

重厚さ、安定感、木のぬくもり、住んでいた人の歴史、そして心のゆとりを培う空間・・・。

6・7年前にこの本を読み、いつかこんな素敵な古民家に住んでみたいと思うようになった。未だに(恐らく永久に)それは実現しないのだが、せめてドールハウスにその夢を託そうと、せっせと制作に励んでいる。

再び開いたこの本に、作家服部真澄氏の尋常ではないこだわりを感じる。

骨董市で家を買う―ハットリ邸古民家新築プロジェクト
 

骨董市で古民家の魅力に 触れ、魅入られるように購入を決意する。たまたま自由に使える土地があり、本が売れてたまたまある程度のお金もあった。

だからって、一般人は古民家を買おうなんて思わない。しかしこの方は違う。「あの土地に古民家を再生させよう。そして理想の家を作りたい。よ~し、買っちゃえ!」と男前にも決めてしまうのだ。(服部さんは女性です)

移築ではない。あくまで再生なのだ。

田舎の老朽化した古民家を解体、運搬して古材を一つ一つ磨き上げ、組み立てる。そのたびに予想外の出費。予算は膨れ上がり、常に不安がつきまとう。読んでいるコチラはハラハラドキドキが止まらない。

「悪いこと言わんし、もうその辺でやめとき」と、何度思ったか知れない。

しかし彼女の決意は固い。挫けそうになってはすっくと起き上がり、再び走り出す。

 

そして幾多の困難を乗り越え、とうとう理想の家を造り上げるのだ。

読み終えた私は、はーっと脱力。

黒光りのするリビングで寛ぐ彼女は、次作の原稿の締め切りも忘れたかのように、なんとも満足気である。

作者は服部氏なのに、この本は夫の目線で書かれている。従って彼女の破天荒ぶりもクールに捉えられ、読みやすいものになっている。

どんなに混乱した状況でも自分を冷静に見つめている作家服部真澄が、常に存在していたのである。

この本に励まされ、私も制作中のドールハウス完成へ向けて、ラストスパート!