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タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

ワンピースとシロツメクサの冠とゼリービーンズ

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カタカタカタ・・・。

お母さんがミシンを踏む音が聞こえると、私はわくわくするのです。

だって、一枚の布から私の夏用の洋服がだんだん出来上がって来るんですから。

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今年は、少し大人っぽい花がらのワンピース。スカートのフレアーと白いボタンが素敵です。

「私は、いつもおねえちゃんのお下がりばっかり!」

と、ほっぺを膨らませていた妹のひとみも、赤いチェックのワンピースに満足気。

「おリボンとレースの襟が付いてるね」と嬉しそうです。

でも、お母さん昨日も夜遅くまでミシンを踏んでいたみたいだけど、大丈夫かしら。

 

私達の為に頑張って縫いあげてくれたお母さんに、何かお礼がしたくなりました。

考えた末に、野原で摘んだシロツメクサの冠と、お母さんの大好きなゼリービーンズに決めました。

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「お母さん、素敵なワンピースをありがとう!これ、お礼だよ」

頭に冠を乗っけてあげると、「あら、まあ…。まこちゃん、ひとみちゃん、どうもありがとう…」そう言いながらお母さんは涙ぐんでいます。

ひとみは、不思議そうな顔でそれを眺めています。

『わかってないなあ。大人はね、嬉しくても涙が出るんだよ』

心の中で言いながら、私も何故か涙が出てしまいました。

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「今日のゼリービーンズは、いつもよりおいしいわね」

お母さんは微笑みました。

毎日忙しいお母さんだけど、こんなに楽しい時間がずっとずっと続きますように…。

 

         (きさらぎの一言)

子供の頃、お母さんと呼ばれる人はみんな、何か心に抱えているような、屈託ありげな顔をしているように感じました。

最近母に、「私が子供の時に、あまり笑わなかったのはどうして?」と尋ねると、

「何もかもが大変過ぎて、あの頃の事は憶えていない」という答え。

はっきり答えてくれなかったけれど、今はその理由がわかるような気がします。

お母さんは、家族の傷みを一緒に背負っていたから、心から笑うことが出来なかったのでしょう…というのは、勝手な思い込みでしょうか。

だから、主人公まこちゃんのお母さんも、子供から受けたこんな小さな思いやりが心に沁みて、涙が出たのです。

 

今回初めて、妹のひとみちゃんが出演しました。

無邪気でちょっぴり生意気。まこちゃんとは2歳違いという設定です。

           *  *  *

 今作で一番大変だったのは窓でした。外が見えるようにしたいと思って頑張ったのですが、当然見えるはずの景色はどうしよう…。

適当な絵か写真があればいいのですが、無い!

というワケで、自分で描いちゃいました。

この窓、実は宮﨑駿監督の映画『風立ちぬ』の、二郎さんの下宿を参考にしました。

パンフレットをお持ちの方は、探してみて下さい。

似てる似てないは別として…。

 ミシン周辺の裁縫コーナーや裁縫箱は、お母さんの意気込みが感じられるようにと、丁寧に作りました。裁縫箱の引き出しにも布や道具が入っています。

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