タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

白ゆき姫殺人事件

 今回の旅行に選んだのは、この本。

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

 

美人OLが殺され、その容疑者 と思われるのが、同僚であり現在行方不明の城野美姫。

この容疑者を取り巻く人間たちが、彼女の人物像を語る。時には残酷なほど痛烈に。

どの証言が本当なのか、読んでいる側は彼女に対する評価の『いい人』と『悪い人』の間を行きつ戻りつ翻弄されてしまう。

そして、読みながら気付くのは、一生変わらずいい人であったり悪い人であったりする人間は居ないという事だ。誰しも他人に優しくしたり、少しばかり罪を犯したり、秘密を持ったりして生きていく。

たとえ容疑者とは言え、それを白日の下に晒されるのはいかに苦しいものだろうか。

 

疑問に思ったのは、聞き役であり探偵役とも言える記者赤星が、取材相手に鋭い質問を投げかけるでもなく、独自の推理を打ち立てるわけでもなく、ただ漫然と聞いているだけである事だ。

これは自然に話を引き出す為の作戦?と思いながら読み進んでいたが、最後にどういう人物なのかがはっきりわかる仕掛けになっている。

 

湊かなえさんの作品は、ミステリーとして謎解きの面白さは勿論、犯罪周辺の複雑な人間関係を探って抉り出すような要素があり、それが大きな魅力になっていると思う。