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タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

おばあちゃんの家

              

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雪の降る中、私はおばあちゃんの家へ急ぎました。

どんなに寒い日でも、そこはほんわかと暖かい場所なのです。

ラジオを聞きながら縫い物をしていたおばあちゃんは、「あら、まこちゃんいらっしゃい。外は寒かったでしょう。そろそろおやつにしようかねぇ」と腰を上げました。

微かな音を立てながら、火鉢の鉄瓶が湯気を上げています。

今日のおやつは、たっぷりたれがかかったみたらし団子。おばあちゃんが香りのいいほうじ茶を注いでくれました。

でもいつものように心は弾みません。実は昨日、仲良しのあきちゃんとけんかしてしまったのです。今日は学校で、お互いに口をきかないまま過ごしてしまいました。

そんな事を思いながら、私は何気なく絣の着物を見上げました。茶箱の上には赤い巾着袋が置いてあります。

「それ、まこちゃんの着物よ。やっと仕上がったから、お正月に着てね」

「えっ。本当?おばあちゃんありがとう」

私は嬉しくてお団子を落としそうになりました。

「着付けてあげるから、ちょっと立ってごらん」

着物を着て髪を綺麗に結って貰い、鏡に映った私はほんの少しお姉さんに見えます。手渡された巾着袋を持つと、何だか別人みたい。

「こうしてみると、まこちゃんはなかなかの別嬪さんだね」

おばあちゃんの言葉に恥ずかしくなった私は、頷くのが精いっぱいです。

その時、ガラガラと玄関の戸が開く音がしました。

「まこちゃーん、遊びましょ」

あきちゃんの声です。どうして私がここに居るって分かったんだろう…。私はおばあちゃんの顔を見ました。

「こんな雪の日にわざわざ来てくれる友達は、大切にしなくっちゃあね」

おばあちゃんはそう言って目を細め、もう一人分お団子の用意を始めました。

「はーい」私は大きな声で玄関に返事をするや否や、部屋を飛び出しました。

「そんなに慌てて、廊下で転ばないでね」後ろでおばあちゃんが声をかけます。

 

           (きさらぎの一言)

初めてまとまった作品が出来上がり、ほっとしています。

ここまで来るのに何度か壁にぶつかりました。

一番苦労したのは招き猫(ここでは全然目立ってない!)

小さいので、なかなか形にならない上に、指が震えて顔が描けないんです。

失敗や挫折は数えきれませんが、これからもドールハウス作りを続けていきます。

作品の設定は、昭和30年代前半。小学5年生の『まこちゃん』の目から見た世界です。時代は違いますが、私の思い出もちょっぴり混じっています。

ご覧下さる方にほっこりして頂きたく、このシリーズに『ひだまり工房』という名前をつけました。

隔月ぐらいに発表出来るように頑張りますので、時々当ブログをご訪問頂ければ幸いです。