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タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

『ヒトリシズカ』と『月光』

ヒトリシズカ (双葉文庫)

ヒトリシズカ (双葉文庫)

ごく普通のありふれた生活を送るとは、何と幸福で何と困難なものだろうか。この本を読むとそう感じる。

アパートの一室で男の死体が見つかる。事件は単純に思われたが、少女の失踪を絡めて、物語は思わぬ方向に展開する。一見バラバラに思われる事件が、年月を経て最後にはある人物の意志によるものであることが分かる。これこそが誉田哲也の真骨頂である。

月光 (徳間文庫)

月光 (徳間文庫)

続けてこの本を読むと、二冊に共通して貫かれているものが、姉妹の、特に姉が妹を思う強い気持ちである事に気付かされる。誰かを守り抜くという事が自分の命を失いかねないとしても、それをいとわない程の強さ。

しかし、二冊とも親子の関係は希薄である。親は子供の気持ちに気付かず、むしろ足を引っ張る邪魔な存在のように描かれている。それとも、そこにも誉田氏の言いたい事が潜んでいるのだろうか。