タテハ通信

好きな物があればあるほど人生は楽しい。そんな私の日常を綴っています。

中原淳一

美しく生きる―中原淳一その美学と仕事 (別冊太陽)

美しく生きる―中原淳一その美学と仕事 (別冊太陽)

おしゃれの絵本―中原淳一ファッションブック

おしゃれの絵本―中原淳一ファッションブック

今年は中原淳一さんの生誕100年だそうです。

彼は2月16日生まれで、私と同じ誕生月なのを知り、とても嬉しく光栄に思いました。何故なら、子供の時彼が編集した『それいゆ』『ジュニアそれいゆ』を押入れの隅にある箱の中に発見して以来、彼の描くイラストや文章の大ファンになったからです。それは大叔母の若かりし日の愛読書でしたが、いつしか私の愛読書にもなっていました。

だって、それはそれは素敵なファッションや洗練された暮らし方が、美しいイラストと共に本の中にぎっしり詰まっていて、溜息が出る程だったのですから。

最近歯医者さんの待合室で中原氏に関する本を見つけ、向かいのソファーに座っておられた方と彼の話で盛り上がりました。世代の違う二人でしたが、不思議な事に二人ともまるで友達同士のように仲良くおしゃべりをしていたのです。

中原氏は竹久夢二の後を継ぐ人として戦前から活躍されていましたが、戦中戦後の厳しい時代にも女性に夢を与え続けました。

『それいゆ』が刊行されたのは戦後すぐ、1946年だそうです。物の無い時代、美について強いこだわりを持つ彼が納得のいく内容にするのは、大変だったのではないでしょうか。

本の中には、乙女の夢と希望が輝きを放ちながら凝縮されています。しかしそれは決して華美なものではなく、例えば一枚のワンピースの襟を付け替えて違う雰囲気を出したり、端切れからかわいらしいお人形を作ったりと、身近な物を大切にしながら、夢を持って暮らして行こうという意気込みのようなものが感じられます。

没後20年の2003年、どうしても展示会に行きたくて、西宮の大谷記念美術館に足を運びました。館内は幾つかのブースに分かれていて、たった一人の人がこんなに沢山の作品を作りだせるのかと驚きました。展示されている原画の中には私のよく知っている作品が多くあり、とても懐かしい気がしたものです。絵の一枚一枚、人形の一体一体に彼の息づかいが感じられ、場内には熱気が満ちていました。彼の生き方そのものがそこにはあるような気がしました。

今年も何かそういう催しがあるのではないかと、期待している私です。